音楽
一場「遠江の里(大草山の春)」
三場「喜び」
五場「祭り」
六場「遠江の冬」
七場「火事」
佐藤圭(作曲)
Grandscape浜名湖@舘山寺の音楽を制作するにあたり、舘山寺の空気感を深く知る必要がありました。2021年の4月中旬、実際に早朝の舘山寺に足を運び、大草山の雄大な自然、浜名湖の独特な雰囲気、太陽が昇る時の緊張感やエネルギーなど、多くのイメージを得ることができました。最初に流れる「大草山の春」という曲は、夜明けから少しずつ太陽が昇り、人々が目覚めていく様子から始まります。この曲には、3つの旋律(太陽のテーマ、大草山のテーマ、主人公のテーマ)が登場します。これらは、私が作曲を担当した「喜びの里」「祭り」「遠江の冬」「火事」全てに取り入れられています。
また、今年は新たに、2022年バージョンに譜面を書き直し、私が信頼している21名の演奏家と共に、青葉台スタジオで再レコーディングを行いました。より雄大で色彩豊かな音楽になっていると思いますので、ぜひお楽しみください。
2002年静岡県浜松市生まれ。東京音楽大学作曲指揮専攻3年在学中。これまでに作曲を、山下康介、後藤加寿子、藤原豊、堀井勝美の各氏に師事。
代表作に、横浜市消防音楽隊オリジナルテーマ曲『Bon Voyage』、映画『せせらぎ荘』(高山凱監督)、オーケストラとピアノのための『バーンズ・ダンス』などがある。
作曲、演奏で参加してくれたミュージシャンをご紹介します。
二場「雨乞いの踊り」
Chloe Kibble (Vo.作曲)
第二場で神秘的な歌声を披露しているのは、ナッシュビル出身のシンガー、Chloe Kibble (クロエ・キブル)。ジャズ、ネオ・ソウル、R&B、フォーク、ゴスペルなど幅広いジャンルの音楽から影響を受け、ブラック・ミュージックをこよなく愛する彼女は、明るい歌声と豊かなハーモニーで独自の音楽世界を築いています。
学生時代に交換留学で日本を訪れてから、すっかり日本ファンになってしまったChloeは現在東京の音楽シーンでも活躍中。⾃⾝のライブ活動に加えて、「パジャマで海なんかいかない」のVocalist として、またMIYABI のバックボーカリストとしても活躍中。また、 モデルとしてはUNIQLOなどのブランド広告等で活躍しています。アメリカ⼈ながら祝詞の意味を理解して美しい曲を作り上げました。「TAKE6」のメンバーで絶妙なヴォーカルアレンジを担当しているMark Kibbleの娘。
四場「洪水」
Nakashiki(作曲)
⽔の精の邪悪ないたずらを表現しているこの場⾯の⾳楽を作ってくれたのはNakashikiこと中島直樹さん。東京藝術⼤学作曲科卒業。現在は⼤⼿ゲームメーカーで数々のヒットゲ ームの⾳楽を担当しています。
映像やゲームなどコンテンツに付随する⾳楽の制作を主軸とし、楽曲スタイルはオーケストラからエレクトロニックまでと守備範囲の広い活動をしています。また、中・⾼校⽣との⾳楽作りワークショップなど、アウトリーチ活動も定期 的に⾏っています。
五場
a 「祭り」
佐藤圭(作曲)
b 「白拍子の舞〜嫁たちの反乱〜」
YUKI KANESAKA(作曲) 菱沼妙子・山口リサ(作詞)
c 「夫婦喧嘩は犬も食わない」
佐藤圭(作曲)
Grandscape浜名湖2022には、村人たちの生活感や気持ちが垣間見れるコミカルな新場面が加わりました。村祭りの情景、そして、もめていた夫婦が仲直りして一緒に踊り出す場面の音楽は佐藤圭さんが、白拍子の官能的な舞、そして嫁たちが怒りを爆発させる場面の音楽はYuki Kanesakaさんが担当しました。遠州弁のラップや、浜松まつりのラッパのメロディもこっそり織り込んでいます。
祭りの場面で大活躍するのは、ローランドの電子和太鼓Taiko-1。浜松出身のパーカッショニスト、山田真陽さんが舞台上で、生の演奏を披露します。和太鼓らしからぬ音も飛び出しますので、お楽しみに。
八場 「火伏せ」
桶狭間ありさ(作曲)
本作品の中の一番の見せ場、山伏が祈りのパワーで火事の炎をねじ伏せて納めていくシーンの音楽は、大人気アニメ『呪術廻戦』でも音楽を担当している桶狭間ありささんです。
冒頭のお経の部分は、舘山寺のお坊様達に実際に火祭りの際のお経を唱えていただいて録音しています。
九場「分断」
Atohs_Music
うって変わって、現代の場面になったところの音楽はAtohs_Musicさんが担当しました。12歳からギターを始め22歳で自身のバンドがインディーズデビュー。全国ツアーや全国流通盤をリリース。24歳の時にバンドを解散。その後楽曲提供や制作を始め、アーティスト、IPコンテンツのサウンドプロデュースからディレクションまでを担当しています。
フィナーレ
最後に盛り上がる場面の曲は、ホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーの大ヒットソングのプロデューサー、ナラダ・マイケル・ウォルデンの曲『Tonight I’m All Right 』です。今回この舞台のために凄腕のミュージシャンが集まって録音しました。
Alvin Chea (Vo)
Grammy賞を10回受賞しているジャズ・コーラスの大御所『Take 6』のメンバー。いつもはベースラインを担当しているAlvinが今回はメイン・ボーカルを務めました。
Melvin Davis (B)
ファンキーなベースを弾かせたら右に出る者がいないと言われているメルヴィン・ディビス。チャカ・カーンの音楽監督も務め、プロデューサーとしても活躍中。この曲でもグルーブ感溢れるベースを弾いてくれています。
吉村勇作 (Keys)
2000年から米国ボストンにてバークリー音楽大学で2年間学び、現在も米国を拠点にキーボーディストとして活動。アメリカ国内外の著名アーティストと数多く共演しています。1981年生まれ。石川県金沢市出身。
YUKI KANESAKA(Mixing)
米国ボストンにてバークリー音楽大学音楽制作学科初のアジア人助教授。14歳からプロ活動の後、monolog, U-KEY, Yuki Carmichaelを始めとする様々な名義で、多岐に渡るプロジェクトを国際的に展開中です。